モノ作り企画~実証までの道のり

モノ作りを進めるステップを解説します

第44回 評価項目の検討と結果整理(アンモニア燃焼例)

 


評価する項目
うまく燃やす条件をみつけることを第一の目的とします。アンモニアの燃焼は、ささいなことで消えてしまったり、排気ガスは窒素と水蒸気だけにしたいのですが、燃料のアンモニアが排気されたりNOxが発生することが課題です。
課題を考えたとき炎が吹き消えやすいことへの原因と対策案を考えました


また、炎はガソリンなど炭素が燃料に含まれると黄色になるため、加熱する効率がよくなります(ふく射熱伝達)が、アンモニアには炭素が含まれないため効率が高くありません。

そこで排熱を回収して空気を加熱することで火炎の温度を高めたり、火炎部分にふく射体を入れて効率を上げるなどの対策案を盛り込んで上図のように構造を考えました。これら対策案の効果を確認することを第2の目的とします。

燃料流量をH,M,Lの3段階、空気比を同様に3段階、熱媒流量も同様にして評価項目を考えると表のような27通りの組み合わせになります。空気比は第43回で説明した計算値です。
各ケースについて排ガス成分、燃焼効率、排ガス交換熱量、混合器予熱量、熱媒放熱量計測値や計算した結果で効果を検討します。

評価結果のまとめ
うまく燃やす条件を見つけるために上図のような燃焼量と空気比のグラフに安定燃焼領域がかけるように整理します。
吹き消え限界は燃焼器温度の急降下や失火検知した動作条件、未燃限界は排ガス成分にアンモニアが排出される条件、および予混合器への逆火が生じる領域もプロットします
(逆火防止のフレームトラップやラプチャディスクは必要かもしれません)
これらに囲まれた領域がうまく燃やせる安定燃焼領域となります。


さらに上図のようにNOXの排出濃度の等値線を結びNOx規制値以下にできる条件を探しておきます。さらに燃焼効率の等値線を記入します。


各部の熱量は上図のように整理します。熱交換部の設計で計算した回収熱量が得られているかを確認します。