モノ作り企画~実証までの道のり

モノ作りを進めるステップを解説します

第23回 はじめての補機類選定(その2)

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RAEng_PublicationsによるPixabayからの画像

前回にひきつづき装置を動かすための補助機器(補機)の選定で、今回は熱交換器、ヒーターについてです。熱交換器は例としてはラジエータコンデンサエバポレータなどが車に使われています。
〇熱交換器
 高温と低温の媒体をながし高温媒体を冷やしたり低温媒体を暖めたりします  
 シェル&チューブ式、プレート式などの種類があります。
①シェル&チューブ 形状例
  シェル(胴体)に多数のチューブ(伝熱管)をおさめた形状 

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②フィン&チューブ   

  伝熱管にフィンをとりつけた形状

②プレート     形状例
多数のプレートを間隔(すきま)をとって、かさね合わせた形状

選定項目
1.媒体の種類とくみあわせ(液体‐液体、液体‐気体、気体‐気体)
2.媒体にふくまれるゴミやよごれの有無
3.サイズ、コスト
4.媒体の温度

媒体が液体‐液体のケースは、ひかくてき小型低コストであるプレート式、ガス‐液体のケースはフィンチューブ式、ゴミやよごれが多いケースはシェル&チューブ式を私は使用しています。高温の媒体のケースでは材質をステンレスにすることも考えます。熱交換器のサイズは高温、低温媒体の種類やそれぞれの目標流量での入口温度、出口温度と圧力損失できめています。

〇加熱用ヒーター
 媒体や装置を加熱したり保温したいときはヒータをもちいます。
①液体
・インライン型  形状例
 液体の配管にくみこんで加熱できる    
・フランジ・ソケット型 形状例
 装置のフランジやソケットにとりつけ加熱できる
・投げこみ型   形状例
 装置のうえから投げこんで加熱できる

②気体
 上記の液体とおなじ型のヒータがあります。
・高温熱風発生  形状例
 600℃をこえる熱風をつくれる 

③金属など
 金属をあたためることで間接的に加熱する。
・カートリッジ型 形状例
 金属ブロックにさしこんで加熱
・巻きつけ型   形状例
 装置のかたちに沿うように巻きつけて加熱
・面型      形状例
 面にそわせて加熱
巻きつけるタイプのリボンヒータはおび状で自由度があり脱着しやすいため、装置や配管に巻き簡易的な試験するときによく用いています。液体投げ込み型も簡易試験などで一時的にもちいるときに利用しています。

ヒーター電力量の選定基準
〇あたためる対象を目標温度にたもてるか
〇対象を目標の時間内に目標温度まであげられるか
〇使用場所の電源、容量でつかえるか
なお使用にあたっては安全上の上限温度をこえたらヒータが自動でとまる、非常時にすぐとめられる停止スイッチをもうけるなどの安全対策が必要です。